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宅建試験には文章読解力が要求される

宅建試験受験予定の皆さまのための合格戦略を、具体的に分析してみたいと思います。

分析は、できるだけ主観・感情を排除し論理的に行います。
万人を納得させるには論理(理屈)しかないからです。

◆宅建試験には文章読解力が要求される◆

(1)そもそも宅建はどういう試験か

宅建は、印刷物として提供された50問(5問免除者は45問)の四択問題を読んで、主として正誤を判断し、マークシートに記入する方式の試験です。

印刷物として提供される文章はA4判で、読まされる問題文は25ページ前後です。それを、制限時間2時間(5問免除者は1時間50分)で解答しなければなりません。

したがって宅建は、制限時間内での文章読解力が要求される試験です。

独学にしろ予備校の世話になるにせよ、また、教材としてCDやDVDを使うにせよ、最終的に要求されるのは、印刷物として提供された文章の読解力です。

(2)宅建で要求される文章読解力とは何か

(イ)そもそも論


宅建の勉強内容のほぼ全部が法律です。
そして法律は社会科学であり、社会科学には必ず「社会的な意味」があります。

自然科学(理科系)の勉強は、物事の存否を学べば、通常はそれでオシマイです。
理科で「カラスは黒い色をしている」と習えば、それに価値判断を加えることはできません。
つまり、自然科学の法則は自然が作ったものなので、「カラスは黒い色をしている」という点について、われわれ人間が社会的な意味(例:なぜ白い色じゃダメなの?)を付け加えることはできません。カラスの勝手でしょ!という世界です。

でも社会科学(法律)の勉強は、物事の存否(例:ある法律の存在)を学んでも、それでオシマイじゃないです。
民法で「他人の物でも売れる」と習っても、それには必ず価値判断が加わります。
社会科学の法則は人間社会が作ったものなので、「他人の物でも売れる」という点について、われわれ人間が社会的な意味(例:人様の物なのになぜ売れるんだ?)を付け加えなければならない宿命を負っています。

(ロ)社会的な意味を盛り込んで読めるチカラ

このように社会科学(法律)が社会的な意味を付け加えなければならない学問である以上宅建試験で要求される文章読解力も社会的な意味を盛り込んで読めるチカラを指します

ここを誤解して(あるいは知らないで)、単に字面(じづら)を追うだけが宅建の参考書を読むことだと考えていると、どんな講座・教材を利用しても、いくらお金を使っても、不合格街道まっしぐらの危険が待っています。

次回は社会的な意味とは何かについて書きます

…づづく…


2009年12月12日(土)記
2010年11月12日(金)追記
2023年11月10日(金)追記



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