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平成25年度(2013年度)の法改正情報

 (1)結論

・ 所得税の税率が見直された

・ 所得税の住宅ローン減税が拡充された

・ 印紙税の受取証(領収書)の非課税枠が拡充された

・ 相続税や贈与税の税率が見直された

・ 相続税の基礎控除が引き下げられた

・ 相続時精算課税制度が見直された

・ 地方税(不動産取得税・固定資産税など)が見直された

上のような見直し・拡充等が含まれる関係法令は,今の通常国会で,平成25年3月30日に公布され,4月1日から施行されています。

でも,安心して下さい。 平成25年度(2013年度)の宅建合格を目指す皆さまには,無関係です

(2)理由

今年の宅建試験は,平成25年4月1日現在施行されている法令から出題されますが,(1)であげた見直し・拡充等は,平成26年ないし平成27年から施行(適用)になるからです。

(イ)所得税の税率の見直し

この見直しは,平成27年分以後の所得税について適用されます。

(ロ)所得税の住宅ローン減税の拡充

この拡充は,ローンで取得した住宅を,平成26年1月から平成29年12月までの間に,居住の用に供した場合(住んだ場合)の話で,今年の受験には関係しないと思っていいです。

今年は,次のようになります。

税額控除(ローン控除)される金額は,平成25年中に居住した場合は,住宅ローンの年末残高2,000万円までの部分について,1年目から10年目まで毎年1%。

(ハ)印紙税の受取証(領収書)の非課税枠の拡充

皆さまが買い物をした時,記載金額3万円未満の領収書には収入印紙が貼ってないですね。これが,印紙税の受取証(領収書)の非課税枠というやつです。

これがこんど,記載金額5万円未満の領収書には収入印紙が貼られないことになります。 でもこの改正は,平成26年4月1日以後に作成される領収書に適用されるのです。 だから,今年の受験には関係しません。

(ニ)相続税や贈与税の税率の見直し

相続税や贈与税の税率自体,宅建試験では細かすぎるので,覚えなくても合格しますが,この見直し税率が適用されるのは,平成27年1月1日以降に,相続や贈与があった場合です。 だからこれも,今年の受験には関係しません。

(ホ)相続税の基礎控除の引き下げ

例えば,お父さんの遺産が5億円だった場合,その5億円が「相続税の総額」になりますが,相続税の総額からは,遺産に係る基礎控除として,   

  5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

が控除されます(非課税になる)。 だから,お父さんに妻と子2人がいれば法定相続人は3人なので,   

  5,000万円+1,000万円×3=8,000万円 が控除され,相続税の総額は4億2千万円になります。

上の,   

  5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

が,こんどから,   

  3,000万円+ 600万円×法定相続人の数

に引き下げられますが,この改正が適用されるのは,平成27年1月1日以降に,相続があった場合です。だからこれも,今年の受験には関係しません。

(ヘ)相続時精算課税制度の見直し

この制度の適用を受けるには,「原則」として,贈与者(父母)が65歳以上でなければなりませんでした。それが60歳以上であればよいと見直されますが,これも平成27年1月1日以降に贈与があった場合に適用されるので,今年の受験には関係しません。

なお宅建では,相続時精算課税制度の「例外」の方が有名ですね。

この例外を,「特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」と言いますが,これについては,贈与者(父母)の年齢には制限がない! と答えなければ,バツになっちゃいます。

(ト)地方税(不動産取得税・固定資産税など)の見直し

これについては,総務省のこちらのページを見ればわかりますが,宅建試験に関係する今年の改正はない! と言っても過言じゃないです。  

(3)蛇足

受験者の弱みに付け込もうとする予備校等の変な情報」に惑わされずに,「今年の改正なんてないじゃん!」と考えて下さればと思います。

税金以外の目立った改正も,平成25年度の受験に際しては無きに等しいです。 統計問題を除けば,平成24年度の参考書類がそのまま使えるでしょう!


平成25年5月26(日)記



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