(1)
明治以来150年、あらゆるものが大きく変わりました。
でもひとたび、教育の現場に目を転じてみると、黒板を背にした一人の先生の話を大勢の生徒がただ黙々と聞いているだけで、150年前と変わらない光景が今でも広がっています。何なんだこりゃ!
資格試験の予備校も、例外ではありません。
通学講座は、黒板を背にした一人の講師の話を大勢の受講者がただ黙々と聞いているだけだし、通信講座も、それを模して動画で配信しているのがほとんどです。
(2)
(1)で示した、黒板を背にした一人の講師の話を大勢の受講者がただ黙々と聞いているだけ、という授業形態のどこがダメなのか?
教育界で言うところの「遡行(そこう)学習法」を受講者に提供できていない点が、一番ダメな所なんです。
「遡行学習法」と言うのは、どこでつまづいているから問題が解けないのかを、講師が一人一人の受講者について遡(さかのぼ)った上で学習させることを指します。
この「遡行学習法」を伝授できるのは、人間では、トップレベルの講師だけ…。
迷物講師は30年超も宅建士専業で御飯を食べているので、宅建士試験に限っては、この「遡行学習法」を伝授できます。
例えば、ある受講者が報酬額計算の問題が解けない場合、その人は「小学生時代の分数や小数点でつまづいているからだ!」ということが、3分で判ります。
最近流行りの、民法・権利関係の判決文問題なんて、その人は「小学生時代の国語を教えた教師がクソだったことがつまづきで、丸っきり国語力がないまま大人になってしまったからだ!」ということが、1分で判ります。
(3)
うえの(2)で、「遡行学習法」を伝授できるのは、人間では、トップレベルの講師だけ、と書きましたが、宅建受験者の皆さまには朗報があります。
宅建士試験の合格率は、2020年度は15パーセント前後と思われるので、85パーセントの人はサクラ散ることが、ほぼほぼ確定してます。
でもサクラ散ることが、ほぼほぼ確定している人でも、あと数年待てば、トップレベルの講師と同等の「遡行学習法」を伝授できるモノが登場します。
それが人工知能、つまりAI講師なんです。
私がこの記事を最初に書いた2018年11月時点では、子どもの学習塾でのAI講師の取り入れが、だいぶ広まっています。
もとは、2017年に創業したばかりの atama+ というベンチャーが開発したAI技術を利用しているのですが、学研・駿台(高等部)・早稲田スクール等、すでに全国で10を超える子どもの大手学習塾で採用されています。
少し前になりますが、2018年10月、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(毎週月曜~金曜 夜11時)でも取り上げられていましたね。