CD №02-02 (27:42)

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過去問解説↓

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5 免許取得後の事情変更

宅建業者も商売をやっている以上、免許を受けてからいろいろと事情が変わる。事情変更をそのままにしておくと、免許をあげた知事や国土交通大臣が宅建業者の現在の姿をつかめなくなる。そこで 5-1 ~ 5-5 までの5つの制度がある。


5-1 免許換え
免許を受けた後で、「事務所の所在地が変わったので 免許権者 * も変わったとき」に、新しい免許の申請が義務付けられることを、免許換えという。
具体的には、次の3ツのどれかの場合に、免許換えが必要になる。

国土交通大臣免許を受けた宅建業者が1ツの都道府県の区域内にだけ事務所をもつことになったとき(この場合は、国土交通大臣免許から知事免許に免許換え)
知事免許を受けた宅建業者がその都道府県の区域内の事務所を廃止して他の1ツの都道府県の区域内にだけ事務所をもつことになったとき(この場合は、知事免許から他の知事免許に免許換え)
知事免許を受けた宅建業者が2ツ以上の都道府県の区域内に事務所をもつことになったとき(この場合は、知事免許から国土交通大臣免許に免許換え)

(1)
免許換えは、引き続き事業を開始しようとする前に申請する必要がある。現在の 免許の有効期間内でも同じだ。

(2)
免許換えは、新免許権者に直接請求するのが原則だ。
ただし、新免許権者が国土交通大臣のときだけは、主たる事務所(本店)の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に申請する必要がある。

過去問

甲県知事の免許を受けている宅建業者A社(事務所数1)が、甲県の事務所を廃止し、乙県に事務所を新設して、引き続き宅建業を営もうとする場合、Aは、甲県知事を経由して、乙県知事に免許換えの申請をしなければならない。(×)

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(3)
免許換えを申請した場合、旧免許の効力が無くなる時期は、新免許が交付された 時だ(免許換えを申請した時ではない)。だから、免許換えを申請してから、新免許が交付されるまでの間は、旧免許で営業できる。

過去問

A県知事の免許を受けた者が、その免許の有効期間中にA県の事務所を廃止して、引き続きB県で営業する場合、A県知事に免許換えの手続きをした日からB県知事の免許が受けられるまでの間は、営業活動ができない。(×)

(4)
免許換えを申請して新免許が交付された場合、新免許の有効期間は、5年になる。 この5年の有効期間は、「新免許が交付された日から」 起算 * する。


5-2 変更の届出
免許を受けた後で、「宅建業者名簿にのっている5つの事項が変わったとき」に、免許権者に届出が義務付けられることを、変更の届出という。

(1)
変更の届出は免許権者にする。
なお、国土交通大臣免許を受けている宅建業者が変更の届出をする場合は、主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に変更の届出をする必要がある。国土交通大臣免許の宅建業者とはいえ、せめて本店所在地の知事にも知らせるのが住民に身近な行政と言えるからだ。

(2)
変更の届出が義務付けられるのは、宅建業者名簿に載っている事項のうち、次の 5つのどれかが変わったときだ。

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過去問

宅建業者B社(乙県知事免許)の政令で定める使用人Cが本籍地を変更した場合、B社は、その旨を乙県知事に届け出る必要はない。(○)

(3)
変更の届出は、変更があってから30日以内にする必要がある。

過去問
I 
国土交通大臣の免許を受けている宅建業者A社が、新たに政令で定める使用人を設置した場合、A社は、その日から30日以内に、本店の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に届け出なければならない。(○)
J 
宅建業者である法人A(甲県知事免許)の事務所で、専任の取引士に1名の不足が生じた。Aは、取引士Bを新たに専任の取引士とした場合は、30日以内に、Bの氏名及び住所を甲県知事に届け出なければならない。(×)


5-3 免許証の書換え交付申請
免許を受けた後で、「免許証の記載事項が変わったとき」に、その免許証を添えて、書換え交付の申請が義務付けられることを、免許証の書換え交付申請という。

(1)
免許証の書換え交付申請は免許権者にする。
なお、国土交通大臣免許を受けている宅建業者が免許証の書換え交付申請をする場合は、主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に申請する必要がある。国土交通大臣免許の宅建業者とはいえ、せめて本店所在地の知事にも知らせるのが住民に身近な行政と言えるからだ。

(2)
免許証の書換え交付申請が義務付けられるのは、「免許証の記載事項が変わったとき」だが、具体的には、免許証の記載事項のうち、次の3つが変わったときだ。

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(3)
免許証の書換え交付申請は、変更の届出と併せて(つまり30日以内に)する必要がある。なぜなら、(2)の3つの変更は、変更の届出が義務付けられる事項でもあるからだ。

過去問

免許証の記載事項に変更を生じたときは、その免許証を添えて、変更の届出と併せて、免許証の書換え交付を申請しなければならない。(○)


5-4 廃業等の届出
免許を受けた後で、「もう宅建業者を続けられない事情が生じたとき」に、免許権者に届出が義務付けられることを、廃業等の届出という。

(1)
廃業等の届出は免許権者にする。
なお、国土交通大臣免許を受けている宅建業者が廃業等の届出をする場合は、主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に廃業等の届出をする必要がある。国土交通大臣免許の宅建業者とはいえ、せめて本店所在地の知事にも知らせるのが住民に身近な行政と言えるからだ。

(2)
廃業等の届出が義務付けられるのは、「もう宅建業者を続けられない事情が生じたとき」だが、具体的には、次の5つの場合だ。

死亡したとき
法人が合併 * により消滅したとき
破産手続開始の決定 * を受けたとき
法人が合併・破産手続開始の決定以外の理由で解散 * したとき
宅建業を廃止したとき

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(3)
廃業等の届出は、次の者が行う必要がある。要するに後始末する人だ。

                   
死亡したとき 相続人
法人が合併により消滅したとき 代表役員 * だった者
破産手続開始の決定を受けたとき 破産管財人*
法人が合併・破産手続開始の決定以外の理由で解散したとき 清算人*
宅建業を廃止したとき 法人の場合は代表役員、個人の場合は業者だった者

(4)
廃業等の届出は、その事実が発生した日から30日以内にする必要がある。ただし、死亡したときの相続人だけは、その事実を知った日(死亡したことを知った日)から30日以内に届出を行う必要がある。死んだときだけ「事実を知った日」から数えるのは、死亡を知らない相続人もいるからだ。

過去問
L 
法人である宅建業者が株主総会の決議により解散することとなった場 合、その法人を代表する役員であった者は、その旨を解散の日から30日以内に免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。(×)
M 
知事の免許を受けた宅建業者について破産手続開始の決定があった場合は、その日から30日以内に、宅建業者であった個人又は宅建業者であっ た法人を代表する役員が、その旨をその免許を受けた知事に届けなければならない。(×)

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(5)
宅建業者を続けられない事情が生じたときの届出が廃業等の届出だから、届け出た時に、その宅建業者の免許が効力を失うのが原則だ。
でも、死亡したときと、法人が合併により消滅したときの2つだけは、民法や商法の決まりで、死亡や合併の事実があった瞬間に、本人(死んだ人や合併によって消滅した法人)は法律の舞台から消えることになっている。そこで、の場合だけは、届出義務者の届出を待たず、その事実が発生した時に、免許が効力を失うことになる。要するに、廃業等と届出と免許の効力の関係は次のようになる。

                   
死亡したとき 届出義務者の届出を待たず、その事実が発生した時 に、免許が効力を失う
法人が合併により消滅したとき ①と同じ
破産手続開始の決定を受けたとき 届け出た時に、免許が効力を失う
法人が合併・破産手続開始の決定以外の理由で解散したとき ③と同じ
宅建業を廃止したとき ③と同じ

過去問
N 
甲県知事から免許を受けているA(法人)が、合併により消滅した場合、Aの代表役員であった者は甲県知事に届出をしなければならないが、Aの免許は、その届出の時にその効力を失う。(×)

(6)
免許が効力を失った場合は当然ながら宅建業をできないが、この当然の理屈をどこまでもつらぬくと、宅建業者に未処理の契約があった場合でも後始末できず結局お客さんが迷惑する。そこで、宅建業者であった者またはその一般承継人* は、自分達が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内 * では、なお宅建業者であるとみなされ、その範囲内に限って、宅建業ができることになっている(無免許営業にならない)。

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過去問
O 
宅建業者が廃業届を提出し、免許の効力を失った場合でも、その者は、廃業前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされる。(○)


5-5 案内所等の届出
免許を受けた後で、「事務所以外で大規模に商売する場所を設けたとき」に、免許権者と所在地を管轄する知事の両方に、届出が義務付けられることを案内所等の届出という(宅建業法50条2項の届出とも言う)。免許は全国で通用するので、事務所じゃなくても、そこで契約行為が行われる可能性があるときは、お上が知っている必要がある。そこで、案内所等の届出という制度がある。

(1)
案内所等の届出は、免許権者の他に、所在地を管轄する知事(現場の知事)にも する必要がある。現場付近の住民を守るためだ。

(2)
ところで、所在地を管轄する知事に案内所等の届出がされると、所在地を管轄する知事から免許権者へ届出書が送付される。つまり、所在地を管轄する知事に届出をすれば、免許権者への届出も完了したと扱われる。
なお、国土交通大臣の免許を受けている宅建業者が案内所等の届出をする場合は、所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣に届出をする必要がある。

(3)
案内所等の届出が必要なのは「事務所以外で商売する場所を設けたとき」だが、具体的には次の場所を設けたときだ(この場所は国土交通省令 * で定められる)。

継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で事務所以外の場所
10区画以上の一団 * の宅地又は10戸以上の一団の建物の「分譲」を案内所を設置して行う場合の案内所
他の宅建業者が行う10区画以上の一団の宅地又は10戸以上の一団の建物の「分譲」の代理又は媒介を案内所を設置して行う場合の案内所
業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場合のこれらの催しを実施する場所

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(4)
案内所等の届出は、事務所じゃない場所で行われる契約行為をお上が知るために義務付けられる。だから、(3)の場所でも、そこで契約行為等を行わないとき(例:見学者の案内だけを行う案内所)は案内所等の届出は不要だ。

過去問
P 
宅建業者Aは、20区画の一団の宅地分譲に際し、見学者の案内のみを行う現地案内所を設置したが、その案内所について知事に届出をしなかっ た。この場合、宅建業法に違反しない。(○)

(5)
案内所等の届出は、そこで業務を開始する日の10日前までにする必要がある。

過去問
Q 
Aは、B県知事の免許を受けている宅建業者である。Aは、20戸の一団 の建物を分譲することになったので、分譲開始2週間後にその旨の届出をB県知事に行った。Aは宅建業法違反となる。(○)
R 
宅建業者A社(甲県知事免許)がマンション(100戸)の分譲のために案内 所を乙県に設置する場合には、業務を開始する日の10日前までに、乙県知事に宅建業法50条2項の規定に基づく届出を行わなければならない。 (○)

(6)
案内所等の届出をする場合に、届け出るのは次の事項だ。

所在地
業務内容
業務を行う期間
専任の取引士の氏名

(7)
案内所等の届出が必要なのは、事務所以外で商売する場所を「実際に設けた」宅建業者だ。
したがって、例えば10区画以上の一団の宅地分譲をする宅建業者Aが、分譲の媒介や代理を宅建業者Bに依頼し、Bだけが実際に案内所を設けた場合には、Aは案内所等の届出をする必要がない(Bだけが届出をすれば良い)。

過去問
S 
宅建業者A社が宅建業者B社にマンション(100戸)の販売代理を一括し て依頼する場合、B社が設置する案内所について、A社は宅建業法50条2項の規定に基づく届出を行わなければならない。(×)

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5-6 免許取得後の事情変更の「まとめ」

                                               
どういうとき いつまでに
免許換え 事務所の所在地が変わったので免許権者も変わったとき 引き続き事業を開始しようとする前
変更の届出 宅建業者名簿にのっている5つの事項
・商号又は名称
・法人業者は、役員と政令で定める使用人の氏名
・個人業者は、その者と政令で定める使用人の氏名
・事務所の名称又は所在地
・事務所ごとに置かれる専任の取引士の氏名が変わったとき
30日以内
免許証の書換え交付申請 免許証の記載事項が変わったとき 変更の届出と併せて(つまり30日以内)
廃業等の届出 もう宅建業を続けられない事情が生じたとき 30日以内
案内所等の届出 事務所以外で大規模に商売する場所を設けるとき 10日前まで

※ 上の5つを受け付けるのが国土交通大臣の場合、国土交通大臣の権限は、主たる事務所 の所在地を管轄する「地方整備局長や北海道開発局長」(つまり国土交通省の出先機関の長)に委任できることになっている。

※ 上の5つ申請や届出は、情報通信技術(インターネット)を利用してできる。



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