「知識は増やせばいい」もんじゃないです。
余計な知識は、捨てなければならないことも有ります。
われわれの
・ 脳を「引き出し」
・ 知識を「文房具」
に例えてみましょう。
貯め続けた文房具(知識)は、やがて引き出し(脳)から溢れちゃいます。
溢れないようにするには引出しを整理しなければなりません。
パソコンでいえば、ハードディスクをデフラグしなければならない状態です。
でも、引き出しの容量は決まっています。
どんなに整理しても文房具の数は減りませんから、その人が生まれつき持っている引き出しの収容能力を超えた時、整理されていたはずの文房具でさえ行き場が無くなります。
その状態を私は、「頭の中がグチャグチャになった」と表現しています。
もうハードディスクをデフラグしたくらいでは、パソコンの調子は良くなりません。パソコンだったらハードディスクの増設という手も有りますが、人間の脳は増設出来ません。
どうすればいいでしょうか?
貯め続けた文房具(知識)が引き出し(脳)から溢れちゃうのなら、余計な文房具を捨てればいいんです。
でも不安ですね。
「必要な知識と不要な知識の区別が出来ない」と考えるからです。
「必要な知識まで捨てちゃったらどうしよう」と考えると、もっと不安になります。
さあ、どうしましょう?
人間、不安になると、どういう行動をとりやすいでしょうか。
知識を捨てることの不安に対しては、「とりあえずとっておこう」となります。
「いつか役に立つだろう」っていう心理ですね。
でも、宅建試験の勉強のような大人の知的作業では、こういう心理は癌(がん)です。
「とりあえずとっておこう」というのは、甘えの心理です。
自立している大人は、その場で取捨選択します。
また、宅建試験のような法律系の国家試験では、単なる暗記が余り通用しません。
知識の量ではなく質で勝負する試験なんです。
質で勝負するのに「とりあえずとっておこう」は、ゴミでしか有りません。
では、どうしたら「必要な知識と不要な知識の区別が出来る」ようになり、安心して「不要な知識だけを捨てることが出来る」でしょうか?
私が出す答えは簡単です。
宅建の迷物図書館と宅建倶楽部のサイトを、くまなく見て下さい!(笑)
それをヒントに、御自分で考えることです。
宅建受験者にはいろいろな年齢・境遇の人がいるので、すべての人に当てはまる絶対的な公式・法則は無いです。
私が提示できるのは、最大公約数的なヒントだけです。
これは、お金を払って宅建の予備校を利用する場合も同じですよ!
予備校は必要な知識と不要な知識の区別が出来るようになるために利用するんです。
もし「知識を増やすだけ」を売り物にしてる予備校があったら、将来「泥舟に乗せられるかも」と身構えるべきでしょう。
インターネットの利用も同じですよ!
やたら細かい知識を植え付けられたら、受験が長引くだけです。
だったら、インターネットなんか見ないで、本屋さんで買ってきた3千円くらいの宅建参考書や過去問集だけで勉強した方が、よっぽどマシです。
平成30年度に、合格基準点が初めて37点になったことがありました。
それ以来、私が心配していることが有ります。
それは、「高得点を取らないと合格できない時代になったので、これからは勉強方法を変えなければならない」という考え方がブームになったことです。
しかし、こういう考え方は大ハズレ!
合格しやすい勉強方法は、合格基準点が37点になろうと30点だろうと、何ら変わり無しです。
「高得点を取らないと合格できない時代」という言葉に引きづられてしまうと、例えば「民法は今までのように半分出来れば合格と考えたんじゃだめかな」となりがちですが、そうじゃ有りません。
今まで通り、民法は半分正解を目標に勉強していれば、平成30年度だって12問中6~7問前後取れたのです。あの年は単純に問題が易しかったのが、37点になった理由に過ぎません。
「高得点を取らないと合格できない時代」なので、「民法は12問中10問正解を目標にしよう」などと考えたら大変です。
ゴミ知識でも「とりあえずとっておこう」となり易く、行き着く先は「グチャグチャになったゴミ頭」です。