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Google(グーグル)の脅威

最後に更新した日:2021年09月18日(土)


この記事は、平成13年4月2日と平成13年4月3日に書いたものだ。
検索エンジンGoogle(グーグル)の脅威についてや、これからは「リンク」が張られることが多いページは重要、という考えが検索結果に反映され、「個性喪失元年の始まり」だ、と感じた話。


 

Google(グーグル)の脅威(1)

いよいよ新年度。
千葉県船橋では桜が満開です。
 
試験に合格するのを「桜咲く」と表現するように、桜の花咲く4月は「新たな気持ち」をふるい立たせてくれる季節であることは、今も昔も変わりないようです。
 
今日は、昔とは明らかに違ってきた世の中の流れについて、4月を題材に1つだけ書かせてもらいたと思います(でも少し長文)。
 
ついこの間まで、私のHPはどこの検索エンジンでも上位を占めていました。
Yahoo・biglobeサーチ・goo・OCNナビなど、大手と言われる検索エンジンで「宅建」あるいは「宅建試験」と入力すると、何千・何万とある宅建関係のHPの中でも、宅建倶楽部のHPは常に1番から20番の間に位置してました。
 
でも、この流れが4月から完全に変わりました。
 
(1)まず4月より前に、biglobeサーチがGoogle(グーグル)の技術を導入しました。
これにより、biglobeサーチでの検索結果はGoogleと99パーセント同じになっちゃいました。

 

(2)4月1日からは、天下のYahooがついにGoogleの技術にかぶとを脱ぎました。
Yahooはディレクトリー型(人が選んだHPを載せる方式)検索エンジンと言われますが、それは一部であり、ページ検索というボタンをクリックすると表示される何万・何十万というWebページは、実は、ロボット型(コンピュータが拾ったHPを載せる方式)の検索エンジンであるgooと同じものでした。

つまり、Yahooのほとんどのサイトはgooの鏡に過ぎず、gooのロボットが拾えば自動的にYahooでページ検索できるというものでした。
しかし、4月1日からYahooはgooと決別し、Googleの技術を導入するようになりました。
これにより、Yahooでの検索結果もGoogleとほとんど同じになっちゃったわけです。
 
結局、今話題のGoogleという検索エンジンの上陸により、日本の検索エンジンは個性を失っちゃいました。

21世紀を生き抜く1番の情報獲得手段が検索エンジンであることに疑いを持つ人は余りいないでしょう。
その獲得手段に個性がないのは、これは大問題です。
大げさに言えば、こういう所でも、日本はアメリカ発のグローバルスタンダードに飲み込まれようとしています。
 
一度試してみるといいです。
Yahooで「宅建」と入力して、ページ検索ボタンを押し、そこで出た検索結果と、biglobeサーチやGoogleの検索結果がほとんど同じだと気付いた時、私と同じようにゾットする人がいるかも知れません。

平成13年4月2日(月)記



Google(グーグル)の脅威(2)

YahooやbiglobeサーチがGoogleの技術を導入したのには、もちろん合理的な理由があります。
 
それは、「重要と思われるページ」ほど上位に表示されるという技術が世界一だという点です。
じゃ、重要と思われるページはどうやって判断するかと言えば、他のページからの「リンク」が多いページを重要と判断するというのです。
 
「リンク」を張るのは、そのページが良質な情報を扱っているから、という考えが根底にあるようです。
 
しかし本当でしょうか?
この考え方には、いかにもアメリカ人的な合理主義を連想させますが、私は、本物の情報や個人が発する情報は、どうしても「リンク」が張られる数が少ないので、Googleの技術によると、逆に、日の目を見ない相当下位の位置に埋もれてしまうと思うのです。
 
その証拠があります。ついこの間まで、私のHPはどこの検索エンジンでも上位を占めていましたが、4月からはヒドイものです。
Yahoo・biglobeサーチ・goo・OCNサーチなどで「宅建」と入力しても、電話代をうんと掛け、よほど根気良く検索し続けないと、宅建倶楽部のHP、そう、迷物講師に出会えるチャンスは無くなりました。
 
別な言い方をすると、「リンク」が張られることが多いページは重要、という考えは大手・大企業に絶対有利ということです。
 
さらに言えば、個人の情報収集手段が商業主義についに支配されちゃったということでもあります。
NTTが経営するOCNサーチが、5月から、検索エンジンの上位に登録してもらいたかったら、お金を取ると予告してますが、これなんか見ると、泣きたくなっちゃいますヨ!
 
私は、この記事を御覧の皆様と同様、踏み付けられるほどファイトが湧く性格なので、いま、裏ワザ的なGoogle対策を考え中ですが、まだ一部、Googleの軍門に下っていない検索エンジンがあるのが唯一の救いです(お蔭でスタッフに給料払えそうです)。
 
民族系(東芝の子会社)のフレシュアイが筆頭です。
フレシュアイで「宅建」あるいは「宅建試験」と入力すると、一番上に「ずばリンク」というボタンがあり、そこをクリックすると出てくる宅建予備校は、なんと、私のHPだけです。
ここのスタッフは見る目があります。
この「ずばリンク」から飛んできて、いまこの奮戦記を御覧になっている人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
お陰様です。フレシュアイ様!
 
フレシュアイは3月23日から「スーパーずばリンク」という先読みシステム(特許)を導入しています。
Google系にないスゴサを確かめてみるといいです。
 
Goo、エキサイト、ライコスも、4月2日現在はGoogle系の洗礼を受けていないようで、宅建倶楽部のHPは上位に検索されます。
 
資格試験業界はファッション業界のような所があり、ヤラセで流行をでっち上げるのが得意です。
「いま不景気で就職難だから資格が密かなブームをよんでいる」なんていうのが例ですが、実体は、資格試験業界は不景気のあおりをモロに受けてます。
 
この傾向は予備校の大きさに比例しています(大きければ従業員に払う給料も莫大)。

そのためか、「同じようなページを雨あられのごとく大手検索エンジンのロボットに拾わせ、とにかく自社のページを目立たせる」という戦術を取っている予備校もあります。

これなど、不動産屋さんが物件情報をインターネットに流すときの古典的な手段ですが、こんなのに出会うと、自分のHPが被害を受けているのも忘れて、「どこも夢中なんだ!」と同情さえしちゃいます。
 
きのうと今日にかけて、桜が咲く時期なのに、今が「個性喪失元年の始まり」だ、という少し暗い話でした。

平成13年4月3日(火)記

最初に投稿した日:2001年4月2日(月)



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