話題の本を買い続けていく人の「あわれ」さ

このような雑文でも,文章作法のいくつかを念頭に書いているつもりです。
「起承転結」「5W1H」「傾向と対策」など…。

きょうは,書店で売られている話題の本の著者が意図しているであろう「傾向と対策」について述べてみます。

最近聞く話題に,
・ 勝ち組,負け組
・ 下流社会
・ 格差社会
・ ニート
・ ひきこもり
があります。
そこで,これらに関する本の出版がとても目立ちます。

いや逆です!
これらに関する本が出版されたから,それに引きづられて話題になった,というほうが正しいです。

「勝ち組,負け組…」等に関する本を読んでいて,私がまず感じるのは,「のぞき」趣味の人が多いなあ〜ということです。

これらの本は,現在はこういう「傾向」です,と現況をのぞいて教えてくれます。
本の出版が先なので,著者が意図的に作りあげた「傾向」の匂いがプンプンしますが…。

いくら著者が作為しても,買う人がいなければ話題にならないから,やっぱり「のぞき」趣味の人が多いのかなあと思ってしまいます。
出版不況なのに,「勝ち組,負け組…」等を話題にした本は良く売れます。

次に私が感じるのは,「のぞき」に踊らされている人は「あわれ」だなあ〜ということです。
なぜそう感じるかと言うと,これらの本には「対策」が示されていないのです。
示されていても,抽象的すぎて解決になりません。

「ニート,ひきこもり」に関する本が数多く出版されている割には,彼ら・彼女らが減少してきたという話を一向に聞かないのは,これらの本が「傾向」すなわち「のぞき」に終始している証拠です。

意図的に作り出された「傾向」に踊らされ,具体的な「対策」を示されないまま話題の本を買い続けていく人の「あわれ」さ。
考えてしまいます!

宅建の参考書を買う人は,そんなことないですよね?

平成18年5月9日(火)記



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