(1)
私は小学校1・2年生のころ、友だちからよく言われました。
「お前んちはいいよな。お父さんが大蔵省印刷局に勤めてるから、お金がなくなったらいつでも印刷すればいいもんな!」
ナルホドと思った割には、わが家が貧乏なのが不思議でした。
(2)
小学校3・4年になると、いくら父親が大蔵省印刷局に勤めていても、勝手におさつを印刷できないことは、自然に理解できました。
(3)
中学生から高校生にかけて、父親はおさつに関するいろいろな裏話を聞かせてくれました。
①
印刷局では、おさつとは言わず「おしな」と言うんだ。
おさつは、印刷局で大切に作った品物だからだよ。
②
一万円札は一枚7円で出来るんだぞ!
それを日本銀行(にっぽんぎんこう)に買ってもらうわけだ。
③
お札の番号には、ちゃんと秘密が隠されているんだ。
それはだな、…このメッセージでは非公開…
④
お札を印刷する機械は、今まではドイツ製だった。
でもこれからは、どんどん日本製のものに変わることになってる。
(4)
令和5年2月現在、わたくし迷物講師の調査によれば、紙幣印刷機は100パーセント国産のものです。
(株)小森コーポレーションという会社(東証プライム上場)が、1961年(昭和36年)に、「紙幣印刷用ドライオフセット印刷機」を大蔵省印刷局に納入したのが国産初です。
お金がなくなったらいつでも印刷できるよう、最近、この印刷機が無性に欲しくなっている迷物講師です!(笑)
(5)
大蔵省印刷局は平成15年(2003年)年4月、独立行政法人「国立印刷局」に組織がえされ、現在に至っています。