こんな簡単すぎる事がキーワードになって、民法の問題が解けることがあります。
次の問題を見て下さい。
Aが、B所有の建物を代金8000万円で買い受け、即日3000万円を支払い、残金は3ヵ月後、所有権移転登記及び引渡しと引換えに支払う旨の約定がある。この場合、Aは、履行期前でも、Bに残金を提供して建物の所有権移転登記及び引渡しを請求し、Bがこれに応じない場合、売買契約を解除することができる。 (平成8年問9肢1)
Bが売主、Aが買主です。
売主Bは、どんな約束をしたのでしょうか?
「3ヵ月後に…登記及び引渡しをする」、と約束したのです。
3ヵ月経過しないうちに何かをするとは、約束していません。
約束しない事は守らないで良いのだから、
3ヵ月経過しないうちに、買主Aが売主Bに残金を提供して建物の登記や引渡しを請求し、Bがこれに応じなかったとしても、Bには何も「落ち度」(債務不履行)がないです。
「落ち度」がない者が不利益を受ける(Aから解除されちゃう)わけがない!
だから、この問題の答はバツです。
民法が湿っぽい人へのハナムケです!
最後は、幼稚園生でも分かる常識に当てはめて判断しましょう。
約束した事は守らなければならない!
約束しない事は守らないで良い!
平成17年10月13日(木)記
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