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法令制限で失敗しないために

(1)イントロ

平成17年は、法令制限から9問出題されましたが、この出来が悪くて「桜散った」人が結構目立ちました。

そこで、平成17年の正解肢9つを全部ピックアップして、他ではできないであろうアドバイスをします。今年初受験の人も参考になるはずです。

(2)反射的に正解肢が見つかる問題

反射的に正解肢が見つかるのは、次の3題でした。これを一つでも落とすと命取りになりました。

平成17年[問17]肢3(これが正解肢)
甲県が所有する都市計画区域外に所在する面積12000㎡の土地について、10000㎡をFに、2000㎡をGに売却する契約を、甲県がそれぞれF、Gと締結した場合、FとGのいずれも事後届出を行う必要はない。(答えマル)
(コメント)
当事者の一方又は双方がお上の場合、国土法上の届出は不要。

平成17年[問18]肢1(これが正解肢)
市街化区域内において行う、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為は、開発行為の規模によっては、実施に当たりあらかじめ都市計画法の開発許可を受けなければならない。(答えマル)
(コメント)
市街化区域内では、1000㎡以上の開発行為に開発許可が必要。

平成17年[問25]肢4(これが正解肢)
農業者が自ら居住している住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、自己所有の農地に抵当権を設定する場合、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はない。(答えマル)
(コメント)
抵当権設定契約には、3条許可は不要。

(3)考えるチカラが必要な問題

基本知識を元に考えるチカラが必要なのは、次の4題でした。半分の2題を取ることが合格の条件でしょう。

平成17年[問19]肢4(これが正解肢)
高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途を適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域等において定められる地区をいう。(答えバツ)
(コメント)
すでに決まっている中高層住居専用地域に高層住居を誘導する必要はないので、中高層住居専用地域では高層住居誘導地区を定めることはできない。すでに英語を話せる人に英会話を教えても空しいよね。それと同じ発想!

平成17年[問20]肢3(これが正解肢)
排水施設の構造及び能力についての基準は、主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為に対して適用のある開発許可の基準である。(答えマル)
(コメント)
下水がないような住宅街は快適な街と言えないので、排水施設の構造及び能力についての基準は、主として、住宅用地の場合の開発許可の基準になる。

平成17年[問21]肢4(これが正解肢)
便所には、採光及び換気のため直接外気に接する窓を設けなければならないが、水洗便所で、これに代わる設備をした場合においては、必ずしも設ける必要はない。(答えマル)
(コメント)
便所には窓を設けるのが原則。ただし水洗便所の場合は、窓に代わる設備(照明および換気扇)をすれば、暗くならないし臭わないので、窓を設けないで良い(マンションの便所を想定すべし)。

平成17年[問24]肢4(これが正解肢)
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で、宅地造成に伴う災害の防止のため必要な擁壁が設置されていないため、これを放置するときは宅地造成に伴う災害の発生のおそれが著しいものがある場合、一定の限度のもとに当該宅地の所有者以外の者に対しても擁壁の設置のための工事を行うことを命ずることができる。(答えマル)
(コメント)
本問のような状況を「工事完了後の技術的基準不適合」という。このような場合、知事は、擁壁の設置命令を「所有者・造成主・管理者・占有者」のいずれかに対して出せるようにすれば、より災害の発生を防げるだろう。

(4)宅建試験の範囲を超える問題

宅建試験の範囲を超えるのは、次の2題でした。こんな問題は無視すべし。全然出来なくても合否に影響はないです。

平成17年[問22]肢3(これが正解肢)
建築物の敷地が都市計画に定められた計画道路(建築基準法第42条第1項第4号に該当するものを除く)に接する場合において、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該計画道路を前面道路とみなして容積率を算定する。(答えマル)

平成17年[問23]肢2(これが正解肢)
土地区画整理組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、当該組合に対する債権を有する参加組合員以外の組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができる。(答えバツ)



平成18年6月14日(水)記

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