(1)宅建の合格基準は国が定めている
出題者は、宅建の問題を適当に作っているんじゃないです。
国が定めた基準に従って、ちゃんと作っています。
国土交通省令の一つに「宅地建物取引業法施行規則」という決まりがあります。
その7条で、こう書いてあります(内容は簡略化します)。
……宅建試験は、宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準を置くものとする。……
この決まりが、国が定めた基準です。
国は出題者に、「宅建取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定できる」問題を作れ、と命じているのです。
(2)宅建取引業に関する実用的な知識とは何か
じゃ、「宅建取引業」に関する「実用的な知識」とは何でしょうか?
(イ)
「宅建取引業」とは、(ロ)
「実用的な知識」とは、普通の国語の意味では、実際に役に立つ知識ということです。
不動産屋さんは扱い物件の金額が高く、ヤクザが紛れ込むなどお客さんに迷惑を掛けてきた歴史があります。
だから「実用的な知識」とは、何かトラブルがあったときでも処理するのに役立つ知識、という意味だと考えて下さい。
(ハ)
したがって国が定めた基準、
つまり「宅建取引業」に関する「実用的な知識」とは、
何かのトラブルがあったときでも処理するのに役立つ知識、
ということになります。
(3)宅建の民法で悩んでいる人へ
(イ)分量の多さに悩む
多くの宅建受験者は、民法を勉強するときに、その分量の多さに悩んでいます。
でも、今まで書いてきた「国が定めた基準」に照らせば、宅建の民法は、それほどでもないことが分かります。
(ロ)対策
交換契約と貸借契約は、世の中に事例があまり多くないです。
だから、宅建の民法は「売買契約」と「賃貸借契約」を中心に勉強して下さい。
(4)市販の参考書で勉強している人へ
普通の宅建受験者が持っている参考書で一番多いのが、本を開けた瞬間に「変な人」(制限行為能力者)がイキナリ出てきちゃうヤツです。
不動産屋さんのお客さんで、成年被後見人なんて千人に一人もいないのに…。
でも、すでに勉強を始めてしまった人は、今さらその参考書を捨てるには、相当の覚悟がいるでしょう。