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法律は「目的」と「手段」の関係で出来ている

(1)私たちの日常の行動

私たちの日常の行動は目的手段の関係で成り立っています

「電車に乗って会社に行く」ことを考えてみます。

この場合、
【目的】は、会社に出勤すること
【手段】は、電車に乗車すること
です。

「異性との婚姻届を出す」のはどうでしょうか?

この場合、
【目的】は、幸福になること
【手段】は、役所に届けを出すこと
です。

女性の皆さん!
目的は「金目当て」だなんて茶化さないで下さいね(笑)。

(2)法律の構造

法律は、私たちの日常の行動をうまくやらせるために、国会が作った決まりです。

だから、法律の構造なんて簡単です。

法律の構造も目的手段の関係で成り立っています

たったこれだけ。

(3)宅建業法の構造

じゃ、「法律の構造は【目的】と【手段】の関係で成り立っている」ことを、宅建業法を材料に説明してみます。

(イ)宅建業法の目的

宅建業法の目的】…「お客さんの保護

たったこれだけ。

(ロ)宅建業法の手段

「お客さんの保護」という【目的】を達成するため、宅建業法は、大きく分けて三つの【手段】を使っています。

(ⅰ)第1手段…宅建業者に必要なものを3個要求する

1個目は、宅建業者に「免許」を要求します。
無免許の宅建業者が横行したら、「お客さんの保護」という【目的】が達成されないことは明らかだからです。

2個目は、宅建業者に「取引士」を要求します。
法律の素人ばかりが宅建業の取引にたずさわるのでは、「お客さんの保護」という【目的】が達成されないことは明白だからです。

3個目は、宅建業者に「担保」を要求します。
宅建業者が倒産した場合に、最低限の保証も出来ないようでは、「お客さんの保護」という【目的】が達成されないことは明らかでしょう。
営業保証金制度や保証協会制度が、これに当たります。

(ⅱ)第2手段…宅建業者に業務上の規制をかける

第1手段で、宅建業者に必要な「免許」「取引士」「担保」の3つを要求しただけでは、「お客さんの保護」という【目的】が、まだ完全には達成できません。

宅建業者が勝手なことをしたら、お客さんが困ってしまう場合もあるからです。

そこで宅建業法は、第2手段として、宅建業者に業務上の規制をかけます。

これには、うんとあります。

試験に出やすい順でいうと、重要事項の説明義務・媒介契約の規制・8種規制・報酬額の制限なんかが、そうです。

私たちが自動車を運転するとき、免許を取得して担保(強制保険)に入っていればすべてオッケーかというと、違いますよね。

制限速度を守れとか、あそこは駐車禁止だとか、いろいろな規制があります。

それと同じで、宅建業法は「お客さんの保護」という【目的】を達成するために、宅建業者にいろいろな業務上の規制をかけるのです。

(ⅲ)第3手段…変なことをしたヤツにお灸(きゅう)をすえる

第1手段で、宅建業者に必要な「免許」「取引士」「担保」の3つを要求しました。

第2手段では、宅建業者にいろいろな業務上の規制をかけました。

でも、誰も守らなかったら調子悪いですね。

そこで宅建業法は、「お客さんの保護」という【目的】を達成するために、第1手段や第2手段を守らないヤツには、お灸(きゅう)をすえることにしました。

宅建の参考書では最後のほうに書いてある処罰が、それです。

処罰というのは、監督処分の「処」と罰則の「罰」の合成語です。

変なことをした宅建業者は、一定の場合に免許取消処分を受けます。
これは監督処分の一種です。

無免許営業なんかすると、最高3年の懲役が待ってます。
これは罰則の一種です。

(4)

(3)で書いたことをマトメると、

宅建業法はお客さんの保護を目的としその目的を達成するために免許」「取引士」「担保の3つを要求する(第1手段)とともに宅建業者にいろいろな業務上の規制をかけ(第2手段)、それらを守らせるため変なことをしたヤツにお灸をすえる(第3手段)法律だということです。


2008年08月06日(水)記
2010年11月12日(金)追記
2021年03月13日(土)追記
2023年11月12日(日)追記



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