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宅建倶楽部
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楽に合格する話
次回の受験に向けて、【№1】宅建試験には文章読解力が要求される
平成21年度の宅建試験は19万5千人が受験し、合格できなかった人は16万人もいました。相変わらず不合格率8割を超える、過酷な試験です。
そこで、次回に受験予定の皆さまのための合格戦略を、具体的に分析してみたいと思います。
分析は、できるだけ主観・感情を排除し論理的に行います。万人を納得させるには論理(理屈)しかないからです。
◆宅建試験には文章読解力が要求される◆
(1)そもそも宅建はどういう試験か
宅建は、印刷物として提供された50問(5問免除者は45問)の四択問題を読んで、主として正誤を判断し、マークシートに記入する方式の試験です。
印刷物として提供される文章はA4判で、読まされる問題文は25ページ前後です。それを、制限時間2時間(5問免除者は1時間50分)で解答しなければなりません。
したがって宅建は、制限時間内での文章読解力が要求される試験です。
独学にしろ予備校の世話になるにせよ、また、教材としてCDやDVDを使うにせよ、最終的に要求されるのは、印刷物として提供された文章の読解力です。
(2)宅建で要求される文章読解力とは何か
(イ)そもそも論
宅建の勉強内容のほぼ全部が法律です。
そして法律は社会科学であり、社会科学には必ず「社会的な意味」があります。
自然科学(理科系)の勉強は、物事の存否を学べば、通常はそれでオシマイです。理科で「カラスは黒い色をしている」と習えば、それに価値判断を加えることはできません。つまり、自然科学の法則は自然が作ったものなので、「カラスは黒い色をしている」という点について、われわれ人間が社会的な意味(例:なぜ白い色じゃダメなの?)を付け加えることはできません。カラスの勝手でしょ!という世界です。
でも社会科学(文科系)の勉強は、物事の存否(例:ある法律の存在)を学んでも、それでオシマイじゃないです。民法で「他人の物でも売れる」と習っても、それには必ず価値判断が加わります。社会科学の法則は人間社会が作ったものなので、「他人の物でも売れる」という点について、われわれ人間が社会的な意味(例:人様の物なのになぜ売れるんだ?)を付け加えなければならない宿命を負っています。
(ロ)社会的な意味を盛り込んで読めるチカラ
このように、社会科学(法律)が社会的な意味を付け加えなければならない学問である以上、宅建で要求される文章読解力も、社会的な意味を盛り込んで読めるチカラを指します。
ここを誤解して(あるいは知らないで)、単に字面(じづら)を追うだけが宅建の参考書を読むことだと考えていると、どんな講座・教材を利用しても、いくらお金を使っても、不合格街道まっしぐらの危険が待っています。
次回は、社会的な意味とは何かについて書きます。
…づづく…
平成21年12月12日(土)記
平成22年11月12日(金)追記
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