良き伝統が破られた

良き伝統をついに破っちゃっいましたね。
試験委員さん!

資格試験で何が大事かって、
それは、マグレ合格を少なくすることです。

そのための対策が、宅建試験では伝統的になされてきました。

去年までは、
正解の番号が大体そろっていました。
・ 肢1が正解だった問題が12題
・ 肢2が正解だった問題が13題
・ 肢3が正解だった問題が12題
・ 肢4が正解だった問題が13題
合計50題という風に…。

これだと、「デタラメの番号」をマークしても、その人がマグレ合格する確率は一番低いです。

しかし、今年は前代未聞の事件が起きました。
肢「3」が正解だった問題が19題も出ました。

これじゃ、
例年では考えられない形態のマグレ合格が結構出るおそれがあります。
現に、私の受講者からこんな報告が来ています。

「…勉強を始めたのがとても遅かったので、民法は全然勉強しませんでした。先生の教えに従って、民法は全部「3」にマークして、全然分からなかった問20と問29の問題も「3」にしたら、それだけで8点も取れたなんて信じられません。マークシートに塗っただけで8点です。…」

宅建業法に至っては、全16題出題中、8題もの正解肢が「3」でした。

私の複雑な心境、分かりますよね皆さん!

例年、
本試験の翌日には、電話で他校の複数の講師と感想を述べ合っています。
今年は合格点予想というより、良き伝統が破られた事件で話がもちきりでした。

私に限らず、予備校の講師は大体が、
「正解の番号が大体そろいます」って受験者に申し向けていたからです。

学問の王道を歩んで来て、最後の見直しで「3」が多すぎることに気付き、答を変えた受験者が影響されないことを願うのみです。

それにしても、
今年の試験委員は、なぜ良き伝統を破っちゃったのでしょうか?
来年の研究課題が一つ増えちゃった。

平成17年10月17日(月)記



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