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合格のキーワードは「管理」にあり

きょうは長い記事なので、最初に目次をつけます。

==【目次】==

(1)管理の意味
(2)合格管理
(3)合格管理のむずかしさ
 (イ)自己管理
 (ロ)他人管理(講師管理)
(4)講師管理はスゴクむずかしい
 (イ)「物」を管理する場合
 (ロ)「物と人」の両方を管理する場合
 (ハ)「人」を管理する場合
(5)宅建の予備校・出版社は、ここを無視している
 (イ)無理からぬ面もある
 (ロ)故意に隠す
 (ハ)例外もある
(6)迷物講師の立ち位置
 (イ)子どもの学習塾の講師ではない
 (ロ)大人の学校の講師
(7)迷物講師との付き合い方
 (イ)背中を押してもらう
 (ロ)迷物講師を頼りすぎない
(8)激動の年




==【本文】==

きょうは、「管理」をキーワードに、宅建合格について考えてみたいと思います。

(1)管理の意味

管理という日本語は、いろいろな使われ方をしますが、本来的には「良い状態を保つ」よう処置する(とりしきる)こと、という意味です。

自己管理、健康管理、品質管理、マンション管理などは、みんな「良い状態を保つ」という意味が含まれています。

(2)合格管理

宅建試験の合格にも「良い状態を保つ」ことが、絶対に必要です。

これを私は「合格管理」と名づけます。

(3)合格管理のむずかしさ

ところで、この合格管理はむずかしいです。

(イ)自己管理

自分自身について、「良い状態を保つ」ことは、むずかしいです。

最初は良くても、モチベーションが維持できなくなる状態に、結構陥りやすいのは、ほとんどの受験者が経験します。

ジョギングやダイエットを始めたはいいが、なかなか目的を達成できない思いをした人も多いでしょう。

ああいう健康管理と同じで、合格管理も「良い状態を保つ」ことは、結構むずかしいです。

(ロ)他人管理(講師管理)

宅建合格には講座・教材が不可欠です。
独学でも最低限の教材は欠かせません。

講座・教材を利用することは、他人が作ったものに管理される面があります。

そこで受験者の皆さんは、ぜひ、他人管理という面も考えてみて下さい。

講師が発する、合格のノウハウ、メッセージのようなものですね。
そこでここでは、単純に講師管理と呼んでおきます。

(4)講師管理はスゴクむずかしい

何かを管理する側から言うと、次のようになります。

(イ)「物」を管理する場合

対象が「物」であれば、管理は比較的楽です。
「物」には心がなく、「心変わり」や「不平不満」も無いですから…。
製品等の品質管理が比較的楽な理由です。

(ロ)「物と人」の両方を管理する場合

対象が「物と人」の両方である場合、管理は少しむずかしくなります。
マンション管理が分かりやすい例です。
設備は「物」なので楽ですが、住人は「人」なのでやっかいです。

(ハ)「人」を管理する場合

宅建の講座・教材は、対象が「人」オンリーなので、管理はスゴクむずかしくなります。
「人」には心があるので、「心変わり」や「不平不満」を、他人である講師が操作・吸収するむずかしさです。

これは「教育全般に通じるむずかしさ」とも言えます。

(5)宅建の予備校・出版社は、ここを無視している

予備校出版社はこの教育全般に通じるむずかしさを解決するノウハウを一般には無視しています
あるいは無知で考えた事もないです

心変わり不平不満他人である講師が操作吸収するむずかしさなど眼中になく皆さんを教えています

(イ)無理からぬ面もある

予備校・出版社とて商売です。
一人一人オーダーメイドでやっていたのでは身が持ちません。

そこで、大衆受けするポイントを狙って講座・教材を作成します。
大きくなればなるほど既製服の提供で見切り発車です。

(ロ)故意に隠す

このような暴露記事を書く私は、まだマシなほうかな?

大多数の関係者は、既製服での見切り発車しかないので、講座教材の形式面だけを強調宣伝します。
時には、ブロガー・メルマガ・5ちゃんねる等に提灯記事まで書かせて…。

このサイトは日本一詳しい
その予備校にはカリスマ講師がいる

・ あの講座の価格は日本一安い

などが典型でしょう。

(ハ)例外もある

「教育全般に通じるむずかしさ」を十分承知し、それを何とか受験者に伝えようと努力している良心派講師もいます。

でも、現状では極めて少数です。

(6)迷物講師の立ち位置

すべて講師と名のつく職業は、学生・生徒・受験者の「背中を押す」ことが役目です。

自己管理できていない人がいれば、その背中を押して、改善させようと努めます。

何かに踏み切れない人がいれば、やっぱり背中を押すために、いろいろアドバイスします。

(イ)子どもの学習塾の講師ではない

私は、子どもの学習塾の講師じゃないです。

(ⅰ)

中高生時代までの暗記主体の無意味な材料を学習する場合は、学習の「量」が物を言います。

他人が知らない知識を一つでもよけい仕入れた生徒が勝ちます。

そこで学習塾の講師は、「出たら大変!」という脅迫感にとらわれ、スミからスミまで全部教えようとします。

教えないことが出題されて生徒が落ちたら、親からの非難はただ事ではありません。
塾の存立にも響きます。

(ⅱ)

でも、宅建試験は暗記主体の無意味な材料をいくら学習しても、まず合格できません。

勉強の「量」が物を言うのではなく、「質」で勝負する試験が宅建です。

宅建の勉強は、暗記主体の無意味な材料の学習ではなく、有意味化された法律の学習なのです。

だから私は、学習塾の講師とは全然違った立ち位置で、皆さんを教えているつもりです。

有料・無料を問わず、皆さんに「どーでもいい細かい事」を教えることに躊躇(ちゅうちょ)するのは、その一環です。

皆さんにはぜひ

法則的知識(そのテーマの基本)
・ ツナギ部分(テーマの連結部分)

といったで勝負してもらいたいです

(ロ)大人の学校の講師

宅建試験は大人向けなので、私は大人の学校の講師です。

(ⅰ)

中高生時代までの子どもの学習塾であれば、「生活全般」を管理するのは、比較的簡単です。

年齢が若ければ若いほど簡単です。

「朝は早く起きて、夜は早く寝て、1日最低3時間は勉強しようね…」
というアドバイスに素直に従った生徒ほど、入学試験での合格率は高いです。

これは、統計や教育学者の論文等でも報告されているように、皆さんも疑う余地はないでしょう。

このように、相手が子どもであれば、子どもの生活全般を「管理」できる力量が講師の実力になります。

子どもの学習塾では、親より年齢が近い大学生くらいの「お兄さん」「お姉さん」講師に、この力量がある人が多いです。

(ⅱ)

でも宅建は大人の学校なので、受験者の「生活全般」を管理するのは、スゴクむずかしいです。

合格者の平均年齢が30歳代で、ほとんどの受験者が仕事を持ちながらの勉強なので、なおさらです。

だから私は、大人の学校の講師という立ち位置で、皆さんを教えているつもりです。

どこかのブログやサイトのように、「朝起る時間、夜寝る時間、1日の勉強時間」などをグタグタ言わないのは、その一環です。

子どもだましのような「オセジ」を言わないのも同じ…。

相手が大人である宅建の学校で、受験者の生活全般を「管理」できる力量など、実は、私を含めた講師には全然ないと考えたほうがいいです。

これは、何10万円掛けて予備校に通学しても同じ。
講師が「管理」できるのは、せいぜい週2回の授業時間の範囲内だけです。

受験者の皆さんは、ぜひ、ここを履き違えないで下さい。

宅建関係者(合格者を含む)への過度な期待は「裏切られる!」と思っているくらいが、ちょうどいいです。

(7)迷物講師との付き合い方

きょうのマトメを兼ねて、私との付き合い方を書いておきます。

(イ)背中を押してもらう

すべて講師と名のつく職業は、学生・生徒・受験者の「背中を押す」ことが役目です。

だから、私も皆さんの背中を押します。

(ロ)迷物講師を頼りすぎない

私ができるのは、皆さんの「背中を押す」だけです。
何から何まで迷物講師を頼ろうと思っちゃダメ。

次の理由によります。

1.
宅建の講座・教材は、対象が「人」オンリーなので、管理はスゴクむずかしい。
2.
私は子どもの学習塾の講師じゃないので皆さんにどーでもいい細かい事を教えることはかえって合格を遠くする
3.
私は大人の学校の講師なので、皆さんの「生活全般」を管理するのは、スゴクむずかしい。

(8)激動の年

2008年09月中旬のリーマン・ブラザーズの破綻以来、わが国でも不動産関連の落ち込みがひどく、今でも不安を抱えながら生活している皆さんも多いことでしょう。

管理の本来的な意味は、冒頭にも書いたように「良い状態を保つ」ことです。

2008年12月26日(金)記
2009年11月13日(金)追記
2021年10月22日(金)追記
2023年10月30日(月)追記


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