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講座・教材の話
宅建のゴロ合わせと関八州(かんはっしゅう)との関係
(1)
「関八州広しといえども……」
こんな時代劇のセリフが気になっているスタッフから質問を受けました。
(2)
スタッフ:
「関八州って、武蔵の国とか相模の国とかの昔の名前(律令制度の国名)の事ですよね? 関東に八つも有りましたっけ?」
迷物講師:
「八つ出て来ないようじゃ、千葉県民としての一般教養に問題があるな!(笑)」
スタッフ:
「じゃ教えて下さいよ!」
迷物講師:
「それはだな、上野(こうずけ)の国・下野(しもつけ)の国・常陸(ひたち)の国・武蔵(むさし)の国・相模(さがみ)の国・下総(しもうさ)の国・上総(かずさ)の国・安房(あわ)の国の八つの国の事さ。最後の三つは、大部分が今の千葉県になっているのは想像がつくだろ?」
スタッフ:
「わかりました。もう一つ質問なんですけど、それだったら『関八国』と言えばいいのに、どうして『関八州』なんですか?」
迷物講師:
「…ふむふむナカナカ良い質問じゃ…」
(3)
宅建は夏が勝負。
夏で何を勝負するかは、いろいろ有ります。
その一つが、上のスタッフの質問に含まれていたので、私は「…ふむふむナカナカ良い質問じゃ…」と思った次第です。
何事も「簡略化」してみる!
これが重要。
『関八国』を「簡略化」すると、
上野の国→上州(じょうしゅう)
下野の国→野州(やしゅう)
常陸の国→常州(じょうしゅう)
武蔵の国→武州(ぶしゅう)
相模の国→相州(そうしゅう)
下総の国→総州(そうしゅう)
上総の国→総州(そうしゅう)
安房の国→房州(ぼうしゅう)
になります。
昔の国の名前を「簡略化」した結果が、『関八州』っていう事ですね。
(4)
何事も「簡略化」してみる。
これが重要!
とは言っても、簡略化には副作用が有ることもお忘れなく!
例えば、今では時代劇にも平気で出てくる『関八州』ってセリフですが、簡略化し過ぎたために副作用が起きてます。
簡略化したために、同じ読みが「じょうしゅうで二つ(上州と常州)」と「そうしゅうで三つ(相州・総州・総州)」も出て来ちゃったんですね。
こういう簡略化に伴う副作用のために、『関八国』を言える日本人は結構いるのに対して、『関八州』の語源を言える人は百人に一人もいない、というのが迷物講師の実感です。
なんか、簡略化の副作用って宅建のゴロ合わせに似ていると思いませんか?
あなたも、周囲の人に今日の話題を質問してみると面白いかも…。
質問された人の「簡略化」能力、ないしは、その副作用が計測できますよ。
平成21年8月6日(木)記
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