(1)イントロ
宅建講師の存在意義は、宅建試験に「短期合格」させること。
これっきゃないです。
ところが大勢の講師がやっているように、受験者をヨイショ!してしまうと、かえって短期合格から遠ざかります。
これが、受験者をヨイショ!しない理由です。
じゃなぜ、受験者をヨイショ!してしまうと、短期合格から遠ざかるのか?
これから、その理由を書きます。
(2)褒(ほ)める教育
(イ)基本知識
褒めて育てるのは、「認めてやる」ことで人を伸ばす方法です。
認められた相手は喜びを感じます。期待に応えようともします。
そのような心理を利用して人を育てるのが、褒める教育です。
(ロ)褒める教育が効を奏する条件
褒める教育が効を奏するには、二つの条件があります。
(ⅰ)時間が有る事
一つは、時間が有る事。
典型は子どもの教育です。
子どもを一人前にするには20年とかの時間的余裕が有ります。
時間が有るほど、褒める教育は効を奏します。
これは私の実感としても断言できます。
男の子と女の子を一人ずつ育てましたが(現在いずれも成人)、とにかくヨイショ!しましたよ。
歯の浮くようなお世辞だって何千回言ったことか…。
(ⅱ)「教育する人が」される人を信頼できる事
褒める教育が効を奏するもう一つの条件は、「教育する人が」される人を信頼できる事。
この典型も子どもの教育ですね。
親が子を信頼できるのは本能に根ざしているので、普通の家庭では最強でしょう。
この信頼がないと、「教育する人が」途中でギブアップしちゃいます。なぜなら、褒める教育が効を奏するには時間が掛かるからです。
(3)叱(しか)る教育
(イ)基本知識
叱って育てるのは、「恐怖心を植えつける」ことで人を伸ばす方法です。
恐怖心を植えつけられた相手は緊張します。緊張すると瞬発力が湧きます。「尻に火がつく」状態になるわけですね。
そのような心理を利用して人を育てるのが、叱る教育です。
(ロ)叱る教育が効を奏する条件
叱る教育が効を奏するにも、二つの条件があります。
(ⅰ)時間が無い事
一つは、時間が無い事。
叱る教育は、相手方の緊張・瞬発力を利用するので、時間が有る場合には、あまり効を奏しません。なぜなら、人間の緊張状態や瞬発力は、長く続くものじゃないからです。
(ⅱ)「教育される人が」する人を信頼できる事
これは、皆さんの誰もがお持ちの実感の通りです。
「嫌いな人に叱られると、その人を余計嫌いになっちゃう」
でも
「好きな人に叱られると、不思議と言うことを聞いちゃう」
っていう心理ですね。
(4)マトメると
人の育て方には、褒める教育と叱る教育があるが、それらが効を奏するには、
褒める教育では、
・ 時間が有る事
・ 「教育する人が」される人を信頼できる事
叱る教育では、
・時間が無い事
・「教育される人が」する人を信頼できる事
だ、という話をしたわけです。
(5)実社会では
皆さんの中にも、親・上司・先輩などの立場で、子ども・部下・後輩を育てるのに悩んでいる方がいらっしゃるでしょう。
実社会では、さしたる物差しもなく、褒める教育と叱る教育との「バランスを適当にとりながら」やっているのが実情ではないでしょうか。
私も同じです。ここまで書いてきたことは、誰にでも分かりやすいように単純化しただけであり、自分が完全に理解していて書いてるわけじゃないです。
最近「ほめ系サイト」が流行っていると聞けば、叱る教育は肩身が狭くなったのかな、とオロオロするただのオヤジです。
でも、自分の仕事に関する事については確かな意見を持ってる、ということで書いてるのがこの記事です。
(6)迷物講師の立場
やっと今日言いたい事にたどり着きました(笑)。
まあ、ここまで読んで下さった皆さんには想像がつくでしょうが…。
そうです!
宅建講師の存在意義は宅建試験に「短期合格」させること。
これっきゃないので、褒める教育では「短期合格」と心理学的な矛盾が生じてしまうのです。
これが受験者をヨイショ!してしまうと、短期合格から遠くなると考えてる理由です。
この点を老婆心ながらダメ押しして、この記事をオシマイにしたいと思います。
(イ)
褒める教育は「時間が有る事」が、効を奏する条件です。
でも、宅建講師の存在意義は「短期合格」させることです。
「時間が有る事」と「短期合格」は矛盾します。
(ロ)
褒める教育は「教育する人が」される人を信頼できる事が、効を奏する条件です。
でも、お金でつながっているに過ぎない宅建講師が、いつも受験者を信頼できるとは思えないです。 ヨイショ!は、そのほとんどが営業トークと疑わざるを得ません。
(ハ)
このように迷物講師は、宅建講師の立場からは、褒める教育(特にヨイショ!)を否定します。
だからと言って、叱る教育をメインにしているわけじゃないので、念のため。「たまには、叱る教育の要素も取り入れることがある」。その程度です。
時々は受験者を緊張させ、瞬発力を促し、「尻に火がつく」状態に持って行くことがあるけど、卑しい事を嫌うだけで、ホントは「やさしいオジサン」なのでございま~す!(爆)