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昔の話
東京の昔
きのう結婚式に招待され、お酒を飲むことが明らかだったので、深夜東京からタクシーで帰宅しました。
久しぶりに、東京の「昔に詳しい」運転手さんに出会いました。
玉川上水の話になりました。
江戸の町に水道を引くためのものですから、昔すぎる話ですが、「その終点はどこか知ってるか?」と聞かれたので、即座に「大木戸ですよ。今の新宿御苑です」と答えると、私を気に入ってもらえたようで、ますます話が弾みました。
「じゃ運転手さん、新宿御苑の先はご存知ですか?」と話を差し向けると、「あれは一部が渋谷川になって、並木橋・渋谷橋・天現寺橋・四ノ橋・古川橋・三ノ橋・二ノ橋・一ノ橋・中ノ橋・赤羽橋・芝園橋、そして最後は金杉橋から東京湾に流れ込むんだよね!」との回答。
「運転手さん。 若い頃相当遊びましたね!」
「なぜ?」
「渋谷川沿いの橋の名前は、昔は全部都電の停留所の名前にもなってましたよね。それぞれの停留所には1つか2つ必ず穴場が有ったじゃないですか」
その後、ここでは書けない話をして、お互い暗黙の照れ笑い!
この運転手さんのすごいところは、それだけじゃなかったです。
私を話の分かる客とみるや、
「昔都電に乗ると、運転士は別名でも案内したもんだよな」と言い出しました。
「銀座4丁目の別名知ってるか?」
「尾張町(おわりちょう)でしょ」
「お客さん参ったよ!」
今度は私の番。
「四谷3丁目の別名は?」
「さて分かんないな!」
「塩町(しおちょう)です」
「本塩町(ほんしおちょう)なら四谷の駅前なんだがな。参った!」
お客さんに花を持たせてくれたんでしょうが、とても気分のイイひと時でした。
「今日はいいお天気ですね」
と、営業は天気の話から入るのがセオリーですが、お客さんとの会話を弾ませ営業成績につなげたいと思ったら、土地・地名の話から入るのも手だと思います。
特に、お客さんが中年で、不動産屋さんの営業の場合はね。
そのためには、在り来たりの抽象的な話じゃダメ。
今担当している物件所在地の昔話を、インターネットで仕入れるくらいの努力は必要でしょう。
平成16年 2月16日(月)記
令和 5年 6月16日(金)追記
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