気象庁は3月21日、東京で桜が開花したと発表しました。
開花宣言の基準となる桜の木は、東京の場合は、靖国神社のソメイヨシノです。
ソメイヨシノは、漢字では「染井吉野」と書きます。
太閤秀吉も花見に行ったという桜の名所奈良県の「吉野」にちなんだ名前であることは、案外知られています。
では、なぜ「染井」が付くのでしょうか?
答は、江戸時代末期、江戸の染井村にいた植木屋さんが、園芸用に品種改良したからです。
染井村というのは、
現在では「おばあちゃんの原宿」として知られるJR巣鴨駅の近く、トゲ抜き地蔵の「高岩寺」の辺りにあった村です。
今では染井霊園にその名が残っています。
地図はこちら。
染井村のことは、小学校入学前から知っていました。
染井霊園の近くの大蔵省官舎で育ったからです。
狭い官舎には、母方の祖母が同居していました。
私の父親は、嫁さんの母親まで扶養していたのです。
このおばあちゃん、
元は八百屋のオカミさんで、明治生まれの粋な人でした。
縁日になると、決まって孫の手を引いて、トゲ抜き地蔵にお参りに行きました。
孫は道すがら、明治からの昔話をうんと聞かせてもらいました。
露天でお菓子やオモチャを買ってもらう心地良さも覚えました。
私は、おばあちゃんの原宿「一期生の孫」なのです。
平成18年3月21日(火)記
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