スタッフAが音声でナビゲート
何回も何回も回転させることが、忘却に打ち勝つ一番有効な方法です。
年齢・性別・学歴・能力等に関係なく、誰にでも当てはまります。
なぜ、何回も回転させると、忘却に打ち勝てるのでしょうか?
人間の脳の構造が、そのように出来ているからです。
これは、逆に説明したほうが、皆さんの実感として理解できるでしょう。
「何回も回転させると忘却に打ち勝てる」ということは、
逆に言うと、
「一回勉強しただけでは、忘却に打ち勝てない」ということです。
われわれは少年少女の頃から、どんな勉強も「一回じゃ忘れやすい」ことを実感しているわけですね。
勉強じゃなくても「一回じゃ忘れやすい」ことは、いくらでも有ります。
例えば、一回掛けただけの電話番号なんか、すぐに忘れちゃうでしょう。
でも、自宅や恋人の電話番号は忘れません。
何回も掛けているからですね。
では、どうすれば何回も回転させることができるのでしょうか。
その方法を書きます。
まず、やる気を持続させることです。
そもそも「やる気」を持続できなければ、話になりませんよね。
「何回も回転させる」もクソも無いことになります。
次に、時間を有効に活用することが、何回も回転させることにつながります。
時間を有効に使わないと、その分、回転させる回数が減るのは当然の理屈ですね。
時間の有効活用には、「空き時間の利用」と「ながら勉強」がオススメです。
空き時間の利用
空き時間の典型は、バスや電車の「乗車時間」です。
通勤・通学に片道一時間掛かる人はめずらしくないですが、こういう人は、一日2時間の空き時間があることになり、これは超デッカイです!
月20日と計算しても、一ヶ月40時間の有効活用ができます。
バスや電車の「待ち時間」もバカにできません。
東京の山手線なんか、3分も待たないで次の電車が来る時がありますが、日本全国の平均で言うと、バスや電車を待っている時間って結構あります。
一日平均30分の「待ち時間」があるとして、月20日と計算して600分です。
これでも一ヶ月10時間の有効活用になります。
乗車時間や待ち時間の勉強道具は、「持ち運びに便利なもの」がイイです。
理想は、女性も男性も、ポケットに入ってしまう教材ですね。
切り離せる教材なんかもグッドです。
ながら勉強
聖徳太子は七つの事を同時に聞き分けたそうですが、普通の人でも、ニつまでなら同時にできます。
音楽を聴きながら勉強するなんて、昔も今も、みんなやっていることでしょう。
車を運転しながら、お料理をしながら宅建の勉強をするのも、ながら勉強です。
最近私がオススメしているのが、「歩きながらの勉強」です。
これは運動も兼ねているので、健康にもイイです。
気分転換にもウッテツケですね。
散歩の習慣がない人でも、少し工夫すれば取り入れることが出来ます。
例えば、通勤・通学している人は、一つ手前の駅で降りてみます。
そして、駅一つ分を「歩きながらの勉強」に当てるんです。
ながら勉強の道具は、「CD(録音教材)」が一番です。
携帯音楽プレーヤーに転送して、講義を聴きます。
ただしこれは、お金が掛かるのが難点です。
安くあげる方法も有ります。
それは、宅建試験の参考書を「自分で棒読み」して、携帯音楽プレーヤーやボイスレコーダーに録音して、持ち歩く方法です。
人間は「読む・話す・聴く」作業を取り入れると、記憶がより一層定着します。
自分で棒読みすると、声を出すので「読む」だけでなく「話す」ことにもなります。
さらに録音すれば、「聴く」ことにもつながる、というわけです。
なお、DVD講座は画面を見つめるので、ながら勉強には向きません。
何回も回転させるためには、民法にのめり込んではダメです。
民法は「ほどほどに」がベターです。
主な理由は二つあります。
1.民法は範囲が膨大
民法は範囲が膨大なので、ほどほどに勉強しないと、人によっては一回転させただけで、本試験をむかえてしまいます。
それじゃ、とてもじゃないけど忘却に打ち勝てません。
2.民法では差が付かない
民法(権利関係)の部分は、合格者でも、半分しか正解していないのが平均です。
平成21年度から、民法(権利関係)は14題出題されるようになりましたが、合格者でさえ半分しか出来ないでしょう。民法では差が付きません。
だから、民法は「ほどほどに」勉強するんです。
それで空いた時間を、他の科目を回転させるために使って下さい。
そうすれば、民法以外の科目について、何回も回転させることにつながってきます。
民法以外の科目にエネルギーを注いだほうが、全体としては点を稼げます。
宅建試験は科目ごとの足切りがないので、民法以外の科目について回転数を増やすのは、一番の安全策にもなります。
勉強すべき材料を減らせば、その分回転させる回数が増え、「何回も回転させる」ことにつながるのは当然の理屈ですね。
勉強すべき材料を減らすというのは、具体的には、次の1.と2.を指します。
1.民法の勉強材料をしぼる
まず、民法の勉強材料をしぼって下さい。
市販の参考書も予備校のテキストも、民法の知識を書き過ぎています。
「書き過ぎている」というのは、超難問を解くための知識までご丁寧に書いてある、ということです。
そういう民法の超難問なんか正解できないでも、それが原因で桜散ることはないです。
具体的には、
贈与契約
使用貸借契約
消費貸借契約
債権譲渡契約
不当利得
債権者代位権
地役権
占有権
根抵当権
質権
留置権
先取特権(さきどりとっけん)
については、せいぜい言葉の意味(定義)だけを押さえて、次に進むべきです。
2.法改正をあまり気にしない
法改正をあまり気にしないのも、勉強材料をしぼる有力な手段です。
改正を気にし過ぎると、「何回も回転させる」という点では絶対に不利です。
理由はこうです。
改正された年に改正部分が出ることは、ほとんどないです。
万が一出たとしても、改正部分が正解肢になることは、まずないです。
万々が一、改正部分が正解肢になったとしても、それを知らなかったことが命取りになることは、絶対にないです。
そういう問題は誰も出来ない超々難問だからです。
昭和49年から一度もなかったです。
マル暗記を避け理解することも、忘却に打ち勝つ有効な方法です。
マル暗記したものはスグ忘れます。それが普通の大人です。
なぜなら、大人の記憶のメカニズムに反するからです。
※
この点に関しては、宅建試験コラム「暗記やゴロあわせ(語呂合わせ)がダメな理由」に詳しく書きました。
まだ読んでいない人は、それを読んで頂くと、これから書くことがわかりやすいです。
じゃ、どうすれば理解できるでしょうか?
そもそも「理解する」というのは、
・意味記憶(経験と関係ない単なる記憶)に頼るのではなく
・エピソード記憶(経験に基づく論理だった記憶)に訴える勉強をする
ことです。
だからエピソード記憶には、
・「経験」に基づく記憶
・「論理」だった記憶
という二つの要素が含まれます。
したがって、
エピソード記憶に訴えるような勉強をするには、まず「経験」が物を言います。
経験者は有利です。
しかし、
ここでいう「経験」は、不動産屋さんの実務経験ではないので注意して下さい。
不動産屋さんの実務経験は、かえってジャマになります。
ここでいう「経験」とは、他の法律系資格試験に合格した経験です。
誤解を恐れずに言えば、「行政書士と同等以上」の法律系資格試験に合格した体験です。
なぜかと言うと、法律系資格試験に合格するには「型」が有るのです。
理解の「型」、合格の「型」というやつです。
この型を押さえている人は、法律系資格試験では断然有利です。
どんな世界でも同じですね。
柔道や剣道、お華やお茶のお稽古にも、上達の「型」があります。
「型」を押さえた人は、資格の勉強や習い事には強いです。
とは言っても、宅建試験は、法律系資格の入門試験です。
今まで法律の「ほ」の字も知らなかった人が大勢受けます。
とすれば、行政書士と同等以上の法律系資格試験に合格した体験が断然有利だと言っても、始まりませんね(笑)。
そこで、こういう経験がない人が、どうすれば「エピソード記憶に訴えるような勉強をする」ことができるか、が問題になります。
もう一度言うと、
エピソード記憶とは、経験に基づく論理だった記憶です。
経験がないのなら、エピソード記憶のもう一つの要素である「論理」に重点を置いた勉強をしないと、「型」を押さえた人に簡単に負けてしまいそうですね。
でも悲観しないで大丈夫です。
法律の「ほ」の字も知らなかった人でも、「論理」に重点を置いた勉強をするのは、そんなに難しいものじゃないです。
そして、「論理」に重点を置いた勉強をすれば、同時に、「型」を押さえたことにもなります。
「論理」も「型」も同義語と思って大丈夫です。
法律を理解する「論理」「型」とは、法律を「パズル」と思うことです。
法律なんかパズルです!
別な言い方をすると、法律の理解は「当てはめ」です。
法律の決まりを「基準」として、その基準に当てはめてみて、与えられた問題の表現が正しいならマル、そうでなかったらバツ。
択一式である宅建試験の理解なんて、ただそれだけのことです。
すでに申し上げたように、法律の理解は「当てはめ」です。
法律なんかパズルです!
法律の決まりだけを「基準」として、その基準に当てはめてみて、与えられた問題の表現が正しいならマル、そうでなかったらバツです。
ところで「法律の決まり」は、多くの皆さんが思っている通りです。
「味もそっけもない」です。
「味もそっけもない」食べ物は、調味料を加えないと、マズくて食べられません。
それと同じでして、「法律の決まり」を理解するにも調味料が必要です。
その調味料にあたるのが「理由を知る」ことなのです。
法律はもともと社会科学の一員です。
社会科学は「理由を知る」のを本質とする学問なのです。
ま、堅苦しいこと言わなくても、
理由がほとんど書いてない市販の過去問解説集を読めば、「理由を知らないことの怖さ」「理由を知らないことの不安」が分かって頂けるかも知れませんね。
(1)第1章のマトメ
忘却に打ち勝つには、まず、何回も回転させることです。
人間の脳の構造とわれわれの実感から、そのように言えます。
何回も回転させるには
・やる気を持続させる
・時間を有効に活用する(空き時間の利用・ながら勉強)
・民法は、ほどほどに勉強する
・勉強すべき材料を減らす
などの方法があります。
(2)第2章のマトメ
忘却に打ち勝つ、もうひとつの方法は、マル暗記を避け理解することです。
マル暗記を避け理解するには、 型(かた)を押さえるのが有効です。
そして「法律なんかパズルと同じ」という実感を持つことができれば、しめたものです。
法律の決まりを「基準」として、その基準に当てはめてみて、与えられた問題の表現が正しいならマル、そうでなかったらバツ!
これがパズル感覚です。
理由を知ることも、マル暗記を避け理解することにつながります。
「味もそっけもない」法律に加える調味料が理由です。
オワリ