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合格ラインの予想が各予備校でこうも違う理由

最後に更新した日:2021年03月13日(土)


この記事は平成23年11月3日に書いたものだが、「資格試験の合格ラインの決め方」は変わらない。
資格試験の合格ラインの決め方には、「絶対評価」と「相対評価」の二つがある。
運転免許の試験が、絶対評価による方法だ。
相対評価による方法として有名なのは、皆さんが受験した宅建試験だ。
「問題の難易度」は運転免許など絶対評価による試験の合格ラインを測る物差しだが、相対評価による宅建試験の合格ラインを測る物差しは、…。


(1)イントロ

11月に入っても、平成23年度(2011年度)宅建合格ラインの予想は、ざっとみて32点から38点までの開きがあります。

これじゃ7点も違うので、受験者の皆さまは困っちゃいますね。

そこで今日は、この違いついて書いてみます。

(2)資格試験の合格ラインの決め方

資格試験の合格ラインの決め方には、「絶対評価」と「相対評価」の二つがあります。

(イ)絶対評価

例えば出題数50問に対して、35問以上正解した者を全員絶対に合格させるやり方です。

絶対評価による試験の合格ラインは、「問題の難易度」で決まります。

たとえば、問題をやさしくして受験者の90パーセントが35点以上正解できるようにすれば、その試験の合格率は90パーセントになります。

だから「問題の難易度」さえ予想すれば、絶対評価による試験の予備校や講師は、その役目を果たせます。

運転免許の試験が、絶対評価による方法として有名ですね。

(ロ)相対評価

出題数50問に対して、35問以上を正解した者を全員合格させないで、受験者全員を比較(相対化)して一番からビリまで順番をつけて、上位何パーセント以上の者を合格者とするやりかたです。

相対評価による試験の合格ラインは、問題の難易度だけで決まるんじゃないです。

相対評価による試験では、「需給のバランス」で合格ラインが決まり、問題の難易度なんてオマケのオマケに過ぎません。

そこで、出題数50問に対して35問正解した者を合格させると「需給のバランス」がくずれるとお上が判断すると、問題の難易度に関係なく、35問正解しても不合格になります。

だから「問題の難易度」を予想するだけでは、相対評価による試験の予備校や講師の役目は、半分も果たしたことになりません。

相対評価による方法として有名なのが、ご存じ、皆さんが受験する(した)宅建試験です。

(3)合格ラインの予想がこうも違う理由

理由は簡単です。

ほとんどの宅建予備校・講師は、「問題の難易度」を中心に予想し、「需給のバランス」を研究している痕跡がないからです。

上の(イ)や(ロ)で書いたように、「問題の難易度」は運転免許など絶対評価による試験の合格ラインを測る物差しです。

相対評価による宅建試験の合格ラインを測る物差しは、今の取引士の「需給のバランス」がどうなっているか、が中心なんですね。

つまり、宅建予備校・講師が使っている物差しが違っているから、宅建合格ラインの予想がこうも違うんです。

(4)今の取引士の「需給のバランス」はどうなっているか?

これは、極めて経済的・経営的要素が強く、それらに造詣がないと、なかなか当てることができません。

時には政治的な判断も予想に入れる必要があり、今年の場合は東日本大震災がどう影響したかも加味しなければなりません。

そうやって総合的に判断した結果、私の場合は、今の取引士の「需給のバランス」は昨年とあまり違いないと考え、今年の合格率を15パーセント台として合格ラインを発表しました(ただし一般公開はしていません)。

(5)その他

なお、かく言う私は、皆さまを短期合格させる事が専門であり、合格ラインの予想については素人に毛が生えたようなオヤジに過ぎません。

最近、こんな素人オヤジに反論してくる同業他社がいないので、すこし拍子抜けしてます。

もっとも、資格試験業界は、大手とされている所でも、不動産大手・広告大手・自動車大手などと違い「本物の大企業じゃない」です。そこで、反論できる人材がいないのでしょうか?

要は、予備校・講師の仕事は「どこかウサン臭い」という事です。
これは、迷物講師を含めてですよ!

だから、受験者の皆さまとしては、「御自分・予備校・講師」ではどうしようも出来ない合格ラインの話題なんか忘れて、一日でも早く普段の生活にもどって頂きたいと思います。

お願いします!


平成23年11月3日(木)記

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