独学で宅建士試験を目指す人のための、質問と回答のコーナーです。
質問部分は原文を簡略化してあります。
競売は、「けいばい」でも「きょうばい」でも、両方とも正しいです。
法律用語の読み方にあまり神経質になることはないです。
ただ皆さまは、これから宅建士になり、法律に疎い一般消費者に法律を説明する立場になるので、私の要望としては、出来る限り一般人に分かりやすい読み方でお客さんと接して欲しいです。
弁護士でも、遺言を「いごん」と読み平気な顔をしている人が案外多いです。
私は、こういう読み方をする法律家の品性をまず疑います。
一般の人にとっては、やっぱり「ゆいごん」でしょう。
ま、法律に携わるすべての人は、「法律は国民のためにある」という根本に立ち返ってもらいたいですね。
そういう点では、競売は「きょうばい」と読んだほうが国民のためかもしれませんね。
せっかくなので、読み方が複数ある法律用語の一覧表を作っておきました。
赤い字 = 専門知識を振りかざす習性が抜けきらない人の読み方競売 | けいばい | きょうばい |
遺言 | いごん | ゆいごん |
借家 | しゃっか | しゃくや |
賃貸人 | ちんがしにん | ちんたいにん |
賃借人 | ちんがりにん | ちんしゃくにん |
借賃 | しゃくちん | かりちん |
【物】を取得する | ぶつ | もの |
人を殺したる【者】 | しゃ | もの |
先取特権 | せんしゅとっけん | さきどりとっけん |
遡及効 | さきゅうこう | そきゅうこう |
鉄筋コンクリート【造】 | ぞう | づくり |
合筆 | ごうひつ | がっぴつ |
思い出したら追加します |
なお、お客さんに不快な思いをさせないよう、業界隠語として正しい読み方になっているものもあります。
日影規制を「にちえいきせい」と読む場合などです。
「ひかげきせい」と読んでも もちろん正しいです。
むかし、東京銀座の松坂屋に勤めていた女性とデートした時、「あたしシンカクに行ってくる」と良く言ってました。
松坂屋銀座店ではお客さんに不快な思いをさせないよう、トイレの隠語がシンカクだったんです(この話、私の奥さんに内緒だじょ!)。
その地域独特の読み方も間違いとまでは言えません。
宅建の参考書・テキストを読んでいると、布基礎という建築用語が出てきます。
布基礎は「ぬのきそ」と読むのが大工さんの間でも一般ですが、東京下町の大工の棟梁で「ふきそ」という人もいます。
さらに、同音異義語と区別するため、わざと変わった読み方をする場合もあります。
施行は「しこう」と読むのが一般的ですが、歯垢・試行・思考・嗜好・志向・指向と同音異義語がうんとあるので「せこう」と読む人が多いです。
施工も同じく「せこう」という人が多いです。