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「従う」とはどういうことか

(2)「従う」とはどういうことか

次に、法律に「従う」とは、何を意味するのでしょうか?

たとえば、みなさんがスポーツやゲームをプレイするときは、それぞれのルールに従うことが求められます。

サッカーではオフサイドやハンドリングに注意が必要ですし、将棋を指すときに駒を動かせるマスは決まっています。

これらのルールに従うときの心境を思い出すことで、法律に従うということの意味を解明する手がかりを得られるでしょう。


【1つの考え方】 は、何らかの罰を避けるためにルールを守るというものです。


サッカーで反則をとられると、相手側にボールが渡ったり、時には退場になったりします。

悪質な反則をしたプレイヤーには、サポーターからもブーイングが飛びます。

このことは、法律についても同じです。

法律に違反すると、罰金をとられたり、時には刑務所に入ったりすることになります。

悪質な犯罪者に対しては、社会的にも大きな非難が寄せられます。

そこで、この考え方に立てば、法律に従うとは「将来的なペナルティを回避するため、法律に違反した行動をとらないこと」という意味に理解できます。


【別の考え方】として、プレイを楽しく進めるためにルールを守るという場合もあります。

将棋は1対1で行われますが、お互いにルールを守って順番に駒を動かすことで、勝負の駆け引きを楽しむことができます。

この考え方を法律に応用すると、法律を守って行動することで、快適な社会生活を営むことができるようになります。

お金を払ったら商品が届くのも、バスに乗ったら目的地に着くのも、すべて人々が法律を守って行動しているおかげです。

このように、法律に従うというのは「快適な社会生活を維持するため、法律を尊重した行動をとること」であるとも言えるでしょう。


【いずれの考え方】に立つとしても、法律に従うということは、法律によって定められた内容を重視し、その遵守を心がけることだと言えそうです。

しかし、あえて付言するならば、おそらくみなさんの多くは、そこまで深く考えることなく、ただ「なんとなく」法律を守っているだけなのではないでしょうか?

そもそも、世の中に存在する法律の内容を網羅したうえで、ある行動をとるかどうかを決めるたびに、逐一すべての法律に照らしてチェックすることなど、およそ非現実的です。

ですから、直感や惰性で行動する中で「なんとなく」法律を守っている、というのが実情でしょう。

…続く…

(その1)は、こちら 



2023年12月24日(日)記



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